先日、8日(金)プロ野球の阪神、ヤクルト、楽天などで監督として活躍した野村克也氏の妻、野村沙知代さん(享年85才)が、虚血性心不全のためお亡くなりになりました。突然のニュースに驚かれた人も多いと思います。
比較的、虚血性心不全は高齢者に多い病気のため、若年層や中年の人には関係ないと思われがちです。実は、虚血性心不全は男女ともに中年以降はありえる疾患です。虚血性心不全の原因や予防を把握して、皆様の健康な生活にお役立てください。
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虚血性心不全とは?
虚血性心疾患に含まれる疾患の一つ。心筋(心臓を動かす筋肉)への血流が阻害されることで、心臓に疾患が起こります。突然死の中で最も多い疾患です。男性は45歳以上、女性は55歳以上で発症する可能性が増大します。冷え込みが強くなる寒い冬に、多く発症する疾患。
死亡原因2位の病気
厚生労働省の「人口動態統計月報年報2015年」によると、死亡原因の順位は次の通り。
- がん 37万人
- 心疾患 19万人
- 肺炎 12万人
- 脳血管疾患 11万人
- 老衰 8万人
全ての死亡者数の15%を占め、死亡率・死亡数ともに増加しています。
虚血性心不全で亡くなった著名人
昨年4月、松浦亜弥さんのモノマネで有名なお笑いタレントの前田健さん(享年44歳)が虚血性心不全でお亡くなりになったことは、記憶に新しいので覚えている人もいると思います。他にも、俳優の栄太郎さん(享年81才)、歌手ハイ・ファイ・セットの山本俊彦さん(享年67才)、芸能リポーターの武藤まき子さん(享年71歳)らが、虚血性心不全でお亡くなりになっています。突然死だけに本人はもちろん、残された家族や親しい人たちの悲しみは計り知れません。突然死を避けるためにも、虚血性心不全はどのような症状があるのか確認していきましょう。
虚血性心不全の症状・予兆
心臓を動かす筋肉の血液不足で起こる「虚血性心不全」の主な原因は、次の疾患です。
「虚血性心不全」の主な原因
狭心症
【原因】
心臓の上にある冠動脈(心筋にエネルギーを送り出す動脈)にプラークの固まりができ、血液の通り道を狭する。
【症状】
主に前胸部に締め付けられるような痛み、圧迫感が生じます。放散痛(原因部位とは離れた部位に現れる痛み)により、鳩尾(みぞおち)から首や左肩に痛みが生じることもあります。多くは15分以内に痛みが消失焼失します。他の症状として嘔吐、頭痛、呼吸困難、不整脈・動悸など。
心筋梗塞
【原因】
動脈硬化などの要因により血液の通り道を狭くする。
【症状】
胸部の強い痛みにより苦しみ悶える状態が15分以上続きます。血液供給の不足状態が解消されない場合は数時間に及びます。脈拍の上昇、血圧の低下、除脈、冷や汗を伴い、顔面は蒼白弐なり意識不明に陥ることもあります。死に至ることもある疾患です。
次の「虚血性心不全の原因」を確認してみてください。当てはまることがあるようなら、早急に生活習慣を改めるなど対応をする必要があります。
虚血性心不全の原因
- 男性45歳以上、女性55歳以上の加齢
- 家族の中に冠動脈の疾患がある
- 喫煙している
- 高血圧 ➪ 参考記事「高血圧を食事で治す!食事で改善・対策」
- 肥満
- 耐糖能の異常(境界型、糖尿病型)
- 高コレステロール血症(総コレステロール220mg/dL以上あるいはLDLコレステロール140mg/dL以上)
- 高トリグリセリド血症(トリグリセリド150 mg/dL以上)
- 低HDLコレステロール血症(HDLコレステロール40 mg/dL未満)
- メタボリックシンドローム
- 精神的、肉体的ストレス
~引用:wikipedia~
「親が病気だった」「〇〇になりやすい家系だから」なんて話を聞いたことがあると思います。このような遺伝的要素以外にも、病気になった家族と同じ生活習慣をすることが原因になることもあります。例えば、甘い物・油料理が好き、喫煙、ストレスを抱えやすい思考など。同居する病気になった家族から受けた、悪い習慣が原因で同じ病気になりやすいという訳です。
虚血性心不全の予防・改善
先ずは、上記の原因を改善すること。それに尽きます。ただ、直ぐに「じゃあ薬で」というのは、根本的な解決にはなりません。症状をごまかすだけで薬漬けになり、むしろ体は弱くなっていきます。それよりも、心不全の原因のさらに、その原因は何なのか?ほぼ全ての原因になっているのが、
精神的ストレス
もちろん、薬が必要な先天性の病をお持ちの人もいます。しかし、そうでない人のほとんどが生活習慣の乱れが原因といえます。生活習慣が乱れる原因は人間関係、仕事のストレスなどの精神的ストレスが発端です。暴飲暴食、深酒、喫煙など、健康を害する行動に走りがちです。結果的に何らかの疾患になり、虚血性心不全のような命に係わる疾患に繋がるわけです。
高血圧、肥満、糖尿などに直接働きかける改善が必要な人もいるでしょうが、先ずは精神的ストレスをなくすこと。言い換えると、
ストレスになる考え方を手放すこと
自意識過剰や、意地をはったり頑固になって我を通す事を止めるんです。「人にどう見られるか・思われるか」より「自分がどう在りたいか・どう思うか」です。上司や取引先の対応が気に入らないなら、受け止め方を変えるんです。「相手を変える」より「自分が変わる」。その方が早くて楽って言いますよね。柔軟でバランスのとれた思考が、穏やかな精神状態を作り出します。自分の力ではどうにもならない環境が原因であれば、その環境との関わりを断ち切ることも大切です。
対人関係、人生の悩みのバイブル本といえば、これ!
「嫌われる勇気」岸見 一郎、古賀 史健/著
心理学会の三大巨匠のひとりアルフレッド・アドラーの教えを、対話編形式でドラマチックに伝えています。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言するアドラー心理学は、現代社会にこそ必要な思想である、と勝手ながら断言させて頂きます。読み終わった後に、嫌われる勇気=「生きる勇気」が湧いてきます。一人でも多くの人に読んでほしい!そう思わせる一冊です。
根本的な精神的ストレスを理解せずに禁煙、ダイエットなどしても、多くの人がリバウンドします。喫煙、過食の原因である精神的ストレスを改善しない限り、喫煙、過食などで気を紛らわす事を繰り返してしまいます。これでは自ら自尊心まで傷つけてしまい、精神的・肉体的に負のスパイラルに陥いってしまうこともあります。そんなことにならない為にも先ずは、
精神的ストレスの原因を明確にして、改善すること
簡単にできる生活習慣として、
幸せホルモン・セロトニンを分泌させる。
では、どうやってセロトニンを増やすのか?これが以外に簡単にできます。
- 朝日を浴びる
-
深呼吸をする
(呼吸が浅くなると低体温、体調不良、自律神経失調症のリスクがあります。) - 笑う
- 適度な運動をする
- トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を含む食品を食べる(大豆、鶏卵、胡麻、ナッツ類、魚、にんにく、生姜、バナナ、芋類、穀物 etc. )
※ 表は文部科学省のデータを参照しています。栄養素別に含有量の多い食品をランキング形式で確認できます。気になる栄養素が多く含まれている食品を調べたい時にとても便利です。➪文部科学省:食品成分ランキング
どれも簡単にできることばかりです。つまり、人間が本来持っている自然治癒力を高める。日常の生活で少しだけ取り入れるだけで、健康というのは以外と簡単に維持できます。
でも、継続してやらなければ意味がないですよね。なると、少し大変かなと思いますが、大丈夫!行動や思考というのは21日継続して行うことで、その後はほぼ無意識で行うことができる習慣、ルーティン化すると言われています。
今回は虚血性心不全の記事でしたが、幅広い疾患に対して当てはまる内容です。どうせ生きるなら、精神的・肉体的に健康でいたいものです。「病は気から」精神と肉体は互いに影響を受けています。日に日に寒さが募りますが、どうぞ皆さまご自愛ください。
心疾患が気になる人は、こちらの記事がおすすめです。
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